SDGsが国連サミットで採択された、9月25日を含む約1週間は「SDGs週間(GLOBAL GOALS WEEK)」です。今年は9月17日から26日。世界各地でSDGsへの関心を高めたり、アクションを促す取り組みが行われます。

JAGUA JAPAN (ジャグアジャパン)は、どのような「社会課題」の解決に取り組んでいますか?
ジャグアタトゥー製品を製造販売することで、経済サイクルを生み出しています。
2013年から、中南米パナマ共和国とコロンビアの国境のダリエンという
熱帯雨林のジャンルに原生する、
ゲニパアメリカーナという果実を日本に輸入し、
ボディーアート用品として製造加工し、国内外で販売しています。
果実は、皮膚を紺色に染める特性があり、
約2000年前から伝わる原住民たちの身体装飾に用いられています。
この天然植物の染色効果は、約2週間ほどで自然に消えることから、
ここ数年、消えるタトゥー「ジャグアタトゥー」として、
若い世代を中心に人気があります。
ジャグアフルーツ(ゲニパアメリカーナ/ウィト)原産地の社会問題の解決とSDGsの目標解釈

パナマの貧困率は36.8%、極貧状態にあるのは16.9%と、中米の中で富の分配が2番目に不公平な国である。都心部と農村・先住民地区とでは顕著な経済格差があり、それらの地区での産業開発は重要視されている。

度々豪雨災害が発生するダリエン地区に緊急援助物資を供与。復旧のための自助努力を敢行。JAGUA INK社へ支援金を送り、モリンガなど、栄養食料品等の供給をおこなう。

教育や、自分たちが知っていることで状況を改善すること(バスケットの染め物や織り物、弓矢の製作など)を通じて、部族が現在の変化する世界で自分たちが望む生き方ができるように保護し、支援することを目的とした「ダリエン・イニシアティブ」を設立。

ジャグアの加工作業場はジャングルの中。加工のために都心部へ移すことをせず、森の中で極力低エネルギーの加工処理を行っています。

生産的な活動、働きがいのある人間らしい職の創出、スタッフの福利厚生等も新しく取り入れた。(有給制度や日帰り旅行)

ジャグア抽出液だけではく、低エネルギーの新技術でジャグアを粉末状にすることに成功。保存や輸送もしやすくなり、新しい製品を開発することができた。

これまで就業が困難であった女性の雇用を積極的に取り組んでいる。加工作業所においては、100%女性スタッフが従事している。

発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指している。

不必要な森林伐採は決して行わず、すべて手作業で収穫しています。また原産地はパナマ国内のみで、収穫から加工まで一貫している。
原産地の状況
原産地:コロンビアとパナマ共和国の国境地帯、「ダリエン地峡」
過酷な自然環境に加え、反政府ゲリラや麻薬組織の運び屋が往来するなど、
世界でもっとも危険な地帯と言われており、
近年では、その地域に昔から住む伝統的な部族も、生活の厳しさ故に、
犯罪に加担することは珍しくない。
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パナマとコロンビアの国境 ダリエン地峡を陸越えしたノンフィクション「ダリエン 地峡決死行」
私は2015年と、2019年に、パナマのジャングルを単身で訪れ、
同じ問題解決に力を注いでいる現地サプライヤーと協業し
彼らの生活する地域でジャグアタトゥー用染料の製造産業を作り、
地域の経済活動を活発化させ、
犯罪などに加担することなく、
倫理的な方法で生活力を身につけることで問題解決に取り組んでいます。
ジャグアタジャパンは、
アマゾン流域の部族らの伝統的身体装飾文化の保護・継承、のほか、
現地の森林保護、産業、雇用を生み出し、
安心安全に取り組んだ、持続可能な事業を展開しています。
国内の社会問題解決とSDGsの目標解釈

「わたしが選ぶもので、いつか世界が変わるなら」ダリエン地峡と私たちはひとつの経済サイクルでつながっています。見えない部分を明るく照らす製品作りをしています。

2014年に初めてパナマ共和国のジャグアを使用してから、サプライヤーを変更していません。

知識や、アップデートする情報の共有他、インターン制度を取り入れ、学びのチャンスを提供している。
平成30年1月、厚生労働省により副業・兼業の促進に関するガイドラインが発表されました。
それによると、副業・兼業は、新たな技術の開発、
オープンイノベーションや起業の手段、
そして第2の人生の準備として有効とされています。
ポイント
日本のジャグアタトゥー アーティストの大半は副業
では、どういった方がジャグアタトゥーの施術サービスを
副業としているのでしょうか。
施術者の職業
- リラクゼーションサロン経営
- ヨガインストラクター
- ネイリスト
- カウンセラー
- イラストレーター
- 学生・専門学生
- 主婦
- ヘナアーティスト・ボディージュエリー、フェイクタトゥー施術者
- 会社員
- ハンドメイド作家・クリエーター
これらの業に就ている方や、休業中の方が、初めは趣味としてスタートし、
やがて、副業としてジャグアタトゥーサービスを提供したり、
起業のきっかけとなっています。
専用の道具をたくさん揃えたり、認可や免許の取得義務はなく、
自宅やカフェ、レンタルスペース、イベント出店などで施術が可能、
初期投資は数千円という定負荷で始めれることから、
限られた時間しかない子育て中の方や、
学生にも手軽にチャレンジすることができます。
知人だけでなく、SNS等を活用して効果的に集客し、
近年では、副業から本業となり、サロン経営をしている施術者も増えています。
ボディーアートとエシカル消費
ポイント
エシカルとは、倫理「法律で決まっているわけではないけれど、良識的に考えるとこうだよね?」と多くの人が考える「社会的な模範」のこと。
今後より増えていくと予想される、ジャグアタトゥー従事者だけでなく、
「ジャグアタトゥーをやって欲しい!」二次消費者が
エシカル消費を意識した行動を起こせば、世界が変わるかもしれません。
2014年から、オンラインショップで商品の販売をスタートし、
インクの購入者(顧客データ)は、2500人にものぼります。
2500人が複数回にわたり、インクを購入し、
また、そのインクを使用して施術サービスを受けている二次消費者の数は計り知れません。
今後、ジャグアタトゥー というファッション文化がより発展し、
認知度が高まっていくと予想していますが、
一般の人が、ジャグアタトゥー ・サービスを受けるときに、
「エシカル消費(倫理的な選択)」の思考行動がより定着すると、
この世界がほんの少しだけ明るい方向へ向かうのではないでしょうか。
もっともっとシンプルに、
「お金を払うことを通じて、社会問題の解決に貢献しよう!」
と考えて消費すれば、
私たちの日常が「エシカルそのもの」になっていきます。